地名に由来する日本語4選!悲劇のエピソードから言葉を学ぼう!
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日本語の慣用句や言葉の中には、地名に由来するものがいくつかあります。
例えば「いざ鎌倉」「小田原評定」などはその中の代表的な言葉です。
しかし、その言葉に秘められたエピソードはご存知でしょうか。
また、普段使っている何気ない言葉の中で地名に由来するものを知らず知らずのうちに多用していることもあります。
そこでこの記事では「地名に由来する日本語4選!悲劇のエピソードから言葉を学ぼう!」と題しまして、言葉の由来や意味を通じて日本語の面白さを感じるきっかけになればと思います。
それでは早速ご紹介いたします。
今でもわかる地名が入っている日本語
言葉を見ただけでどこの土地かわかる日本語を集めてみました。
エピソードを知ると日本史の勉強にもなりますし、知った上で現地を訪れる旅行も一味違ったものに早変わりします。
いざ鎌倉の意味を誤用している人は多い
いざ鎌倉、という言葉を若い人はあまり使わなくなってしまいましたが、今でも雰囲気で使いますよね。
よく「さあ行こう!」という意味で使っている人がいますが、これは厳密に言うと間違いです。
正しいいざ鎌倉、は「さあ、大変だ!」という意味の掛け声なのです。
この意味になったのには、幕府に忠実に仕えるある武士の逸話がありました。
現在の群馬県に当たる場所に住んでいた佐野源左衛門という武士は、鎌倉幕府に絶対の忠誠心を誓う志の高い人でした。
源左衛門は「もしも鎌倉幕府に何かが起きたら、どこにいようと真っ先に駆け付けよう!」と自分の中の目標を掲げていました。
その心意気を表した言葉が「いざ鎌倉」という慣用句になったのです。
このストーリーは謡曲(能の歌のようなものです)「鉢木」に詳しく紹介されている有名なエピソードです。
小田原評定の由来は豊臣秀吉に関係している
小田原評定の意味は、「実りのない無駄な話し合いをすること」です。
テレビの中継や企業内での打ち合わせなどで経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
実はこの言葉の由来には、あの豊臣秀吉が大きくかかわっています。
豊臣秀吉が天下統一をするにあたり、全国の大名を支配下に置いていきました。
そこで秀吉がターゲットにしたのは小田原にいた北条氏でした。
ここからはわかりやすいマンガで説明していきたいと思います。
つまり、北条氏政が秀吉に付くか、徹底抗戦して戦うかを決めあぐね、もたもたしているうちに追い込まれてしまったのです。
このことから『実りのない無駄な話し合いをすること』が小田原評定となったのです。
ちなみにこの小田原評定の様子は、小田原城の敷地内にある「NINJA館」にて北条家の歴史とともに学ぶこともできます。
小田原城「NINJA館」公式ホームページ
まだ新しい施設なので中も綺麗です。子供が遊べるアクティビティもあり楽しいですよ。
地名が由来とわからない言葉
言葉だけを聞くと地名が由来だとわからない言葉を集めました。
かなり生活に溶け込んでいる言葉になっていますので、由来を聞くとびっくりするかもしれません。
あこぎなことの「あこぎ」は三重県の地名だった
お金がない人からも無慈悲に金目の物や金銭そのものを搾り取るような真似をすることを「あこぎ」と言います。
このあこぎ、とは三重県津市の東方一体にある「阿漕が浦(あこぎがうら)」からきた言葉です。
実は、阿漕が浦では漁が禁止されていました。なぜなら伊勢神宮に奉納するための魚を獲る専門の海だったからです。
ところが、この阿漕が浦で密漁を繰り返す若い漁師がいました。
そのため「阿漕で悪さをする」から「阿漕」と呼ばれ、その漁師は非難されてしまいます。
これが悪人を表す「あこぎ」の由来です。
ところがこの若者がわざわざ密漁区である阿漕が浦で漁をする行動には理由がありました。
その理由は、「病気の母親にどうしても魚を食べさせたかった」からだったのです。
しかし、この若い漁師は罪を許されませんでした。神様に与える魚を横取りしたという罰です。
結局この漁師は罰として海に沈められてしまったのでした。
「あこぎ」という言葉にはこのような悲劇があったのです。
くわばらくわばらの意味は菅原道真の怒りのせいだった
よく一昔前の人が、激しい雷雨に見舞われたときなどに、雷避けのおまじないとして「くわばらくわばら」と唱えているのを見たことがありませんか?
あの「くわばら」も土地の名前です。
「くわばら」こと桑原は京都府京都市中京区の町名で現在も存在します。
桑原には京都御苑と京都地方裁判所・京都簡易裁判所などがある道路が通っていますが、実は道路のみの地名という珍しい地名で、住居はなく住民はいません。
実はこの由来は古く平安時代までさかのぼるのです。
平安時代に菅原道真という男性(今では学問の神様)が失意のうちに罠にはめられて左遷されたという事件がありました。
その後、道真を左遷した藤原氏ならびにその周りでは不審な死が相次いだり、落雷の被害が後を絶ちませんでした。
そこで、落雷=菅原道真の祟りと思われたのです。
しかし、桑原という土地だけは落雷を免れていたのです。
そこで人々は「くわばら、くわばら」とおまじないを唱えて雷を避けようとした、と言われています。(諸説あります)
地名に由来する日本語には胸を打つエピソードが多い
今でも使われている地名に由来する日本語は、胸を打つ強烈なエピソードがかなり多いことがわかりました。
言葉を調べていくと、どうしてこのような不思議な言い回しをするのかなどを紐解くことが出来る面白エピソードにたどり着くことがあります。
また、どの言葉も日本史と密接にかかわっており、有名な人物由来の事も多いのです。
日本語を勉強すると、面白い角度から日本史の勉強にもなりますし、友達や家族などに豆知識として教えられるネタも増えます。
是非身の回りにある面白い言葉を調べてみるきっかけにしてみてください。
自分の出身地が由来の面白い慣用句などが見つかるかもしれません!
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。